講師紹介
小林豊和
「ヘルス・スパン」という言葉をご存知ですか?
直訳すると「健康な期間」。体の機能を健全に維持し、犬(猫)らしい生活を少しでも長く送らせようという意味が込められた言葉です。私たち獣医の行う医療とは、ペットのQOLを高め、このヘルス・スパンとライフ・スパン(=寿命)をできるだけイコールに近づけることだと私は考えています。
人間同様、犬や猫も年をとれば、生活や身体に様々な変化をもたらします。「老化」は阻止できないかもしれませんが、犬や猫がいつまでも元気に、快適な老後生活を送れるよう私たちができることは、たくさんあるでしょう。
「もう10歳・・」ではなく、「まだ10歳!」少しいたわってあげれば、まだまだ元気に長生きします。
しかしながら、老化による衰えや病気、また認知症など、「介護」が必要となったペットのお世話は、人間の生活にも様々な影響を与えます。多くの方が、愛犬、愛猫のために精一杯のことをしてあげたいと思うでしょう。しかし、頑張りすぎて飼主さんが精神的に疲れてしまっては、ペットはどう思うでしょうか?
介護ケアや老齢期のお世話を心得た『ペットヘルパー』は、飼主さんにとっても私たち獣医師にとっても、とても心強い味方になってくれるでしょう。
正しい知識と専門の介護技術を身につけ、ペットにとっても飼主さんにとっても、“幸せな長生き”をサポートできる
『ペットヘルパー』を育成することが、この講座の目的です。
獣医師、グラース動物病院院長。1963年生まれ。
日本大学大学院獣医学研究科修了。
ペットのメンタルケアを重視した診療方針を貫く。とくに犬に関しては行動、習性にも精通し、多くの問題行動改善などの指導実績を持つ。コンパニオンアニマルとして犬と人間がお互いにハッピーな関係になれるような飼育方法を提唱。精神医学についての研究も進めている。
「ペットシッタースクール」講師やテレビ出演、専門書の執筆・監修などでも幅広く活躍。
「老齢ペットと法律問題」
「高齢ペットの栄養学」
「老猫の飼育と介護ケア」